「フロントバンパーの修理はどのようにすればいいのだろうか?」
「フロントバンパーはそもそもどこの部分なの?」
このような疑問や悩みを抱えていませんか?
フロントバンパーは車の安全性に関わる重要なパーツです。
しかし、役割や修理方法について詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、フロントバンパーの基礎知識から、傷がついた際の修理方法まで詳しく解説します。
Contents
フロントバンパーとは?
フロントバンパーとは、自動車の前面に設置された重要な安全パーツを指します。
バンパーの主な機能は衝突時の衝撃緩和です。
車両同士の接触事故や壁への衝突、さらには歩行者と接触した際にも、衝撃を効果的に吸収することで、車両と人命双方の保護に貢献しています。
現代の自動車において、フロントバンパーはヘッドライトやグリルの下に配置され、わずかに前方へ突出するように設計されています。
多くの車種では、フォグランプを内蔵した一体型のデザインが採用されており、車両のデザインにおいても重要な要素です。
かつては金属製が主流でしたが、1980年代以降はデザイン性と安全性の向上を目指し、樹脂製バンパーが標準となっています。
車体と同色に塗装され、ボディラインと一体化したデザインにより、樹脂製のバンパーでは見た目の美しさと機能性を両立させています。
フロントバンパーの素材
ここではフロントバンパーにおける2つの素材について、より詳しく解説します。
- 金属製バンパー
- 樹脂製バンパー
金属製バンパー
金属製バンパーは、高い耐久性を特徴とする従来型のバンパーです。
耐衝撃性に優れているだけでなく、衝突による変形や損傷が生じた場合でも、比較的容易に修復が可能というメリットがあります。
しかし、この頑丈さは諸刃の剣となります。
金属製バンパーは衝突時の衝撃を十分に吸収できず、特に歩行者との接触事故の場合、重大な人身事故につながるリスクが高いという深刻な課題がありました。
金属製の問題に対処するため、バンパーとボディの間に緩衝材を設置するなどの対策が取られましたが、根本的な解決には至りませんでした。
このような背景から、より安全性の高い樹脂製バンパーへと主流が移行していきます。
樹脂製バンパー
樹脂製バンパーは、現代の自動車に採用されていることが多いバンパーです。
最大の特徴は、軽量性と柔軟性を兼ね備えている点にあります。
金属製と比較して大幅な軽量化を実現し、車両の燃費向上や環境負荷の低減に貢献しています。
また、樹脂の柔軟性により衝撃を効果的に吸収することで、相手に与えるダメージを最小限に抑えられるでしょう。
とくに歩行者との接触事故における安全性が高く評価されています。
一方で、樹脂製バンパーは比較的損傷しやすい特性も持ち合わせています。
軽い接触でも塗装が剥がれたり、ヒビが入ったりすることもありますが、柔軟性により、多くの場合は塗装修理のみで対応が可能です。
このような特性から、現在では安全性と実用性を重視するほとんどの自動車メーカーが樹脂製バンパーを採用しています。
フロントバンパーに傷がつく原因
フロントバンパーは車の進行方向に取り付けられているため、傷がつきやすいといえます。
ここでは、フロントバンパーに傷がつく原因を5つ紹介します。
- 飛び石が当たる
- バンパー下部と地面を擦る
- 障害物に擦る
- 不適切な洗車
- 車の周囲を歩く際に接触する
飛び石が当たる
フロントバンパーの損傷原因として、最も一般的なもののひとつが飛び石による損傷です。
前方を走行する車両のタイヤが路面から小石を巻き上げ、自車のフロントバンパーに衝突することで発生します。
とくに高速道路での走行時は、石が高速で飛散するため、バンパーの塗装が剥離したり、傷がついたりするリスクが高まるでしょう。
このような飛び石被害を防ぐためには、道路状況や速度に応じて、十分な車間距離を確保することが重要です。
バンパー下部と地面を擦る
フロントバンパー下部の損傷は、段差や傾斜のある場所での走行時に多く発生する問題です。
地面との接触は駐車場の出入り口やスロープ、縁石の乗り上げなど、日常的な場面で起こります。
とくにスポーツタイプの車両や、エアロパーツを装着した車両は、車体が通常より低く設定されているため、バンパー下部が路面と接触するリスクが高くなるでしょう。
ただし、車高を標準に保っている一般的な車両でも、段差が大きい場合には同様の問題が発生する恐れがあります。
地面との接触を防ぐためには、ゆっくりと進入したり、タイヤをひとつずつ段差に乗せたりするなどの対策が効果的です。
障害物に擦る
さまざまな障害物との接触も、バンパーに傷や破損が生まれる原因のひとつです。
都市部や住宅地には、電柱やガードレール、駐車場のポールなど数多くの固定障害物が存在しており、このような障害物との接触事故は日常的に発生しています。
とくに注意すべきなのが、縁石や車止めといった低い位置にある障害物です。
運転席からは確認しづらく、バックカメラやセンサーでも検知できない場合があるため、予期せぬ接触事故を引き起こす原因となります。
また、狭い道路での方向転換時やタイトな駐車スペースへ出入りする際にも、バンパーを傷つけるリスクが高まります。
障害物との接触を防ぐためには、運転時の周囲確認が重要です。
駐車時には必ず目視での確認を行い、不安な場合は一旦車を停止して周囲の状況を確認するようにしましょう。
不適切な洗車
フロントバンパーの傷は、不適切な洗車方法によっても発生します。
特に注意が必要なのは洗車前の下準備です。
車体表面には、走行中に付着した砂やホコリなどの細かな異物が存在します。
異物を十分に洗い流さないまま、スポンジやクロスで拭き取り作業を始めてしまうと、異物によってバンパーの表面に微細な傷がついてしまうこともあります。
また、洗車道具の使い分けも重要なポイントです。
タイヤやホイールの洗浄に使用したブラシには、路面の汚れや砂利などの硬い異物が付着している可能性が高いため、バンパーの洗浄には使用しないようにしましょう。
適切な洗車を行うためには、まず十分な水洗いで表面の異物を除去し、専用の洗車道具を適材適所で使用することが大切です。
車の周囲を歩く際に接触する
フロントバンパーへの傷は、必ずしも走行中の事故や接触だけが原因ではありません。
日常的な車の利用シーンにおいても、予期せぬ傷がつくことがあります。
たとえば、車に乗り込む時や降りる時に、カバンや手提げ袋の金具、キーホルダーなどがバンパーに接触することで傷の原因となる場合があります。
また、ショッピングセンターなどでの買い物時には、ショッピングカートの接触にも注意が必要です。
重い荷物を積んだカートは操作が難しく、わずかな不注意でバンパーに接触し、傷をつけてしまう恐れがあります。
車の周りを移動する際は適度な距離を保つことが重要です。
フロントバンパーを自分で補修する方法
最後に、フロントバンパーを自分で修理する方法について、以下の2点を解説します。
- コンパウンドを使用する
- フロントバンパーの取り外し方
コンパウンドを使用する
フロントバンパーの軽度な傷は、コンパウンドを使用したDIY修理で改善できます。
コンパウンドとは傷を研磨して目立たなくする製品のことです。
具体的な修理手順は以下の通りです。
- 作業箇所を丁寧に洗浄し、水分や汚れを完全に除去する
- 粗目のコンパウンドを新しいスポンジに取り、円を描くように優しく磨いていく
- ある程度傷が薄くなってきたら、細目のコンパウンドに切り替える
- 同様の手順で磨き、さらに表面を滑らかにしていく
作業の仕上げとして、ワックスやコーティング剤を塗布することで、艶のある美しい仕上がりになります。
ただし、深い傷やへこみがある場合、コンパウンドでの修復は難しいため、プロによる修理が必要です。
フロントバンパーの取り外し方
フロントバンパーの取り外しは、傷やへこみの修理をより効果的に行うために必要な場合があります。
バンパーは主にネジとツメによって車体に固定されているため、まずはネジをすべて外しましょう。
ネジは主に以下の場所に取り付けられています。
- タイヤハウスの裏側
- 車体の底
- ボンネット内の左右ライト間
数が多いため、外したネジは紛失しないように順序立てて保管することが重要です。
また、車によってはフォグランプなどの電装品が装着されているため、確実に外す必要があります。
すべてのネジを外した後、バンパーを上下に軽く揺らしながら、ツメを慎重に外して完了です。
作業自体は比較的シンプルですが、普段目にすることの少ない箇所での作業となるため、不安がある場合はプロへ依頼するようにしましょう。
まとめ
ここまで、フロントバンパーの概要や傷ができる原因、自分で補習する方法について解説しました。
フロントバンパーは、安全性とデザイン性を兼ね備えた重要なパーツです。
バンパーに傷がついてしまっても、傷の程度が軽い場合は、コンパウンドを使用したDIY修理が可能です。
ただし、深い傷や破損がある場合は、安全性の観点からプロに修理を依頼するようにしましょう。