「車のへこみ修理にはいくらかかるのだろうか?」
「できるだけ安く車のへこみを修理したい」
このような疑問や悩みを抱えていないでしょうか?
車のへこみを修理したくても、修理費用が高額になりそうだからそのまま乗り続けているという方も多いでしょう。
本記事では、車のへこみ修理にかかる費用相場や修理費用を安く済ませる手段、へこみを自分で修理する方法について解説します。
Contents
車のへこみ修理にかかる費用相場
ここでは、車のへこみ修理にかかる費用について、以下の部位別に紹介していきます。
- ルーフのへこみ修理代
- バンパーのへこみ修理代
- ボンネットのへこみ修理代
- サイドのへこみ修理代
- トランクのへこみ修理代
ルーフのへこみ修理代
車両の屋根部分であるルーフのへこみ修理費用は、25,000円〜80,000円程度です。
へこみの大きさや状態、塗装の種類によって修理費用は大きく変動することがあります。
ルーフに発生する損傷は、主に雪の落下や駐車場のシャッターとの接触、雹などの自然現象による衝撃が主な原因です。
修理方法は大きく分けて板金修理とルーフ交換があり、ルーフ交換が必要な場合は「修復歴車」となるため中古車価値に影響を及ぼします。
ルーフの修理は特殊な技術を要する作業のため、修理期間は通常3日〜5日程度を要します。
バンパーのへこみ修理代
バンパーは車両の前後に設置された衝撃吸収パーツのことで、修理相場は12,000円〜50,000円程度です。
バンパーは衝突時の衝撃を緩和する役割を担っているため、他の部品と比較して損傷を受けやすい構造となっています。
修理期間については、フロントバンパーで1日〜2日、リアバンパーで3日〜4日程度です。
バンパーの着脱作業自体は比較的簡単で、交換作業は30分程度で完了することが多いものの、部品の取り寄せに時間がかかる場合もあるという点は考慮する必要があります。
ボンネットのへこみ修理代
エンジンルームを保護するボンネットのへこみ修理代は、30,000円〜100,000円程度です。
ボンネットは、交通事故や落下物による衝撃で損傷を受けやすく、その修理費用は損傷の程度によって大きく異なります。
小規模なへこみであれば30,000円程度で修理が可能です。
ただし、直径20cmを超えるような大きな損傷の場合は、より高額な費用が必要です。
また、袋構造のボンネットは裏側からの板金作業が困難なため、通常より高額な修理費用となることがあります。
修理期間は損傷の規模によって異なり、小さなへこみであれば1日で完了しますが、大きな損傷の場合は2日〜3日程度かかるでしょう。
サイドのへこみ修理代
ドアやフェンダーなどサイドボディ部分の修理費用は、30,000円〜60,000円程度となっています。
特に注意が必要なのは、ドア部分の修理です。
アルミやカーボンなど、柔らかい素材が使用されている車に大きなへこみが生じた場合は、修理での対応が困難となります。
このような場合、部品の交換が必要となり、修理費用は通常の相場を大きく上回ることになるでしょう。
修理には通常4日〜5日程度の期間を要し、損傷の規模が大きい場合はより多くの時間と費用がかかります。
トランクのへこみ修理代
トランクのへこみ修理代は、一般的な相場で50,000円〜100,000円程度です。
トランクは車両の構造上、複数のパーツと連動している部分であり、その修理には特別な技術が必要となります。
その結果、修理費用は他の部位と比較して高額になりやすいのです。
損傷の主な理由として、駐車時のアクセルとブレーキの踏み間違いによる後方への衝突や、後退時の接触事故などが挙げられます。
修理期間については通常2日〜3日程度を要しますが、損傷の深刻度や修理工程の複雑さによって変動する可能性があります。
車のへこみ修理が高額になる理由
車のへこみ修理は、なぜここまで高額になるのでしょうか?
具体的な理由を3つ紹介します。
- 工程が多くかかるため
- 板金塗装専用の設備や道具が必要なため
- 高度な技術力や知識が必要なため
工程が多くかかるため
へこみ修理が高額になる理由のひとつとして、通常よりも多くの工程がかかるという点が挙げられます。
へこみの修理では、塗装作業に入る前の下地処理がとくに重要で、完璧な表面を作り出すための丁寧な作業が求められます。
また、塗装工程においても細心の注意が必要です。
車両の塗装は時間の経過とともに自然と色あせていくため、修理箇所に新車時と同じ塗料をそのまま使用すると、周囲の塗装との間に違和感のある色の差が生じてしまいます。
そのため、既存の塗装部分と新しい塗装部分の色を完璧にマッチングさせるための調色作業が極めて重要となります。
各工程に細心の注意を払って作業を進めることが必要なため、時間やコストがかかり、高額な修理費用につながるのです。
高度な技術力や知識が必要なため
板金塗装には、高度な技術力や知識が必要なため、修理費用も高額になります。
最新の設備が整っていたとしても、作業者に十分な知識や技術が備わっていなければ、高品質な仕上がりにはできません。
特筆すべきは、板金塗装の分野には必須となる公的資格が存在しないという点です。
そのため、技術者の育成は実践的な経験の積み重ねに大きく依存します。
この習熟過程では、必然的に試行錯誤や失敗も発生し、それに伴う材料費や時間的コストも無視できません。
熟練技術者の育成には、長期的な投資と豊富な実務経験が不可欠となります。
へこみ修理を含む車両の板金塗装が高額となる背景には、人材育成に関連するさまざまなコスト要因が存在しているのです。
板金塗装専用の設備や道具が必要なため
板金塗装専用の設備や道具が必要な点も、修理費用が高額な理由のひとつです。
板金塗装の品質は、作業者の技術力だけでなく、設備や道具の質にも大きく左右されます。特に、塗装作業は環境要因の影響を受けやすく、空気中の微細なチリやホコリでさえ、最終的な仕上がりに大きな影響を及ぼす恐れがあります。
専用の塗装ブースなどの設備が整っていない環境では、熟練の技術者であっても高品質な仕上がりにすることは極めて困難です。
また、板金塗装には高額な初期投資と継続的なコストが必要となります。
自動車用の塗料は一般的な塗料よりも高価であり、さらに精密な作業を行うための専門的な工具や設備も必要不可欠です。
加えて、研磨材やマスキングテープなどの消耗品も数多く使用するため、1回の修理作業に要する材料費も決して少なくありません。
高品質な板金塗装を提供するためには、優れた技術力に加えて、適切な設備投資と品質の高い材料の使用が不可欠なため、費用も高額になります。
車のへこみ修理にかかる費用を抑えるコツ
車のへこみ修理は高額だという点について説明しましたが、一体どのようにすれば費用を抑えられるのでしょうか?
ここからは、修理費用を抑える3つのコツを紹介します。
- 板金塗装業者に依頼する
- 複数の業者に見積もりを依頼する
- へこみを放置せず早めに修理に出す
板金塗装業者に依頼する
車両のへこみ修理を依頼する際、多くの方はディーラーを最初の選択肢として考えがちですが、実は板金塗装業者へ直接依頼する方がより効率的な選択となるでしょう。
ディーラーやガソリンスタンドでは、修理を外部の専門業者に委託しています。
外注することによって、実際の修理費用に加えて中間マージンや手数料といった追加費用が発生してしまいます。
板金塗装業者であれば、余分な費用が追加されずにへこみの修理が可能です。
また、ディーラーを経由する場合、外注による工程が加わるため、修理完了までにより多くの時間を要することになります。
一方、板金塗装専門業者に直接依頼すれば、修理期間の短縮も期待できるでしょう。
へこみ修理を依頼する際は、直接板金塗装の専門業者に依頼することで、コストと時間の両面でより効率的な修理が可能となります。
複数の業者に見積もりを依頼する
車のへこみ修理において、適切な業者選びは修理費用に大きな影響を与える重要な要素となります。
へこみ修理に対応できる業者は以下の通りです。
- ディーラー
- 板金塗装業者
- 整備工場
- カー用品店
中でもディーラーは、充実したサービスと純正部品の使用を特徴としていますが、外部業者への委託費用や純正パーツの使用により、比較的高額な見積もりとなる傾向があります。
一方、板金塗装業者やカー用品店では、独自の修理手法やアフターパーツの使用により、異なる価格帯でのサービス提供が可能です。
このような状況から、修理を依頼する際は複数の業者から見積もりを取得することが推奨されます。
見積もりを比較する際は、修理費用だけでなく、修理期間や使用部品の種類、代車の有無などのサービス面も含めた総合的な判断が重要です。
最近では、インターネット上の一括見積もりサービスも存在します。
複数業者に見積もりを依頼して、内容を比較検討してから業者を選びましょう。
へこみを放置せず早めに修理に出す
へこみ修理の費用を抑えるために、早期の対応は非常に重要な要素です。
へこみによる損傷を放置することで状態が悪化し、より深刻な問題へと発展する恐れが高くなります。
特に塗装が損傷している場合、その部分から水分や湿気が侵入し、錆が発生する場合もあります。
錆は一度発生すると、塗装の内部で徐々に広がっていく特性があり、表面からは見えない部分でダメージが進行することもあるのです。
この状態を放置すると、当初は数万円程度で修理可能だった損傷が、最終的にはパネル交換を必要とする大規模な修理となり、10万円以上の費用がかかることもあるでしょう。
へこみを発見した場合は、たとえ小さな損傷であっても、早急に専門業者への修理依頼を検討することが、長期的な費用抑制につながります。
車のへこみを自分で修理する方法
ここからは、車のへこみに対して自分でもできる修理方法を紹介します。
具体的な方法は以下の3つです。
- ドライヤーや熱湯を利用する
- デントリペアキットでへこみを引っ張り出す
- パテを利用してへこみを埋める
ただし、自分で修理を行った場合、損傷を悪化させてしまう恐れがあるので、心配な方は専門の業者に依頼するようにしましょう。
ドライヤーや熱湯を利用する
ドアやバンパーといった柔らかい素材の場合、ドライヤーや熱湯で熱を加えてへこみを戻すという方法があります。
一般家庭にあるドライヤーや熱湯を使用してへこみ部分とその周辺を温めることで、樹脂を柔軟にし、裏側から押し出すことで形状を復元できる場合があるのです。
ただし注意点として、過度な加熱は塗装面にダメージを与える恐れがあり、作業時の火傷リスクも考慮する必要があります。
さらに、深いへこみや大きな損傷の場合、このような簡易的な修理方法では対応が困難です。
作業を行う際は、これらのリスクを十分に認識し、慎重に進める必要があります。
デントリペアキットでへこみを引っ張り出す
車の小規模なへこみ修理において、デントリペアキットという専用工具を使用する方法があります。
デントリペアキットとは、グルーガンやグルーパッドなどの道具がセットになった簡易的な板金修理用具で、特に5cm程度の浅いへこみに対して効果を発揮します。
デントリペアキットのメリットは、へこみ部分を表側から引っ張り出して修正できる点です。
従来のように裏側からハンマーで叩く必要がなく、より簡単に修理できます。
注意点として、デントリペアキットを使用できる箇所はドアやフェンダーなどの金属部分に限られ、バンパーなどの樹脂製パーツには適していません。
また、修理の際は引っ張る力加減に注意が必要で、過度な力を加えると表面が伸びてしまう恐れもあるため、慎重な作業が求められます。
パテを利用してへこみを埋める
パテを使用したへこみ修理は、比較的浅い損傷に対して効果的な修理方法のひとつです。
修理の手順としては、まず表面の汚れや油分を完全に除去し、その後素早くパテを塗布します。
パテが乾燥した後は耐水サンドペーパーで丁寧に研磨し、下塗りと上塗りの塗装工程を経て完成です。
パテは、カー用品店やホームセンター、オンラインショップなどで手軽に購入でき、1,000円程度と比較的安価なため経済的な負担も少なく済みます。
パテを使用する際の注意点として、研磨作業が不十分な場合の表面の粗さや塗装時のムラなど、さまざまな技術的課題が存在します。
失敗のリスクを十分に認識した上でパテを使用しましょう。
まとめ
ここまで、車におけるへこみ修理の費用相場や修理費用を抑えるコツ、へこみを自分で修理する方法もついて解説しました。
車のへこみ修理には工程が多く、高度な技術力や知識が必要なことから、修理費用は高額に設定されています。
高額だからという理由でへこみを放置してしまうと、見えないところで劣化が進み、より高額な修理費用がかかる場合もあります。
修理費用を安く抑えたい方は、板金塗装業者の利用を検討してみてください。